高校野球交流試合が始まりました。
死ぬ思いで全てを甲子園にかけて、真っ黒になりながら練習を
重ねて来た球児たちが、コロナで今年は高校野球は中止となりました。
その発表を聞いた球児たちの目から大粒の涙がこぼれたのを見たのはまだ記憶に新しい。

無観客だが、一試合だけでも甲子園へ行けるようになりました。
野球にあまり興味のない私でも嬉しかった。
勝っても負けても憧れの球場の土を持ち帰っていた今までの試合と違って、今回は後ほど学校宛てに送ると言う。
学校であっても、選手全員の手に少しづつでも行き渡ると良いなと、自分の様に思った。



小学校6年から中学2年まで住んでいた岐阜県の美濃市を思い出した。
私が多感な乙女?時代を過ごした唯一長く暮らした街であるが、
親しい友達も出来て、その交流は長良川で泳いだり、
お誕生会に初めてお呼ばれしたり、そのお友達はいわゆるお譲様がたでした。

美濃と言えば「美濃和紙」です。
その会社の○○さんのご令嬢や、昔からの○○さん(会社)のご令嬢でした。

楽しい思い出の詰まった街へ行って見たい。
夫が亡くなってふさいでいた頃、無性に行きたくなった。
マイカーで一人の友人を誘って訪れた宿場町は
昔と変わらぬ町で美しく保存されていました。

保存された宿場町以外は変わってしまい、
私達が住んでいた家も分からなかった。

友人宅を訪ねました。
知らない全く関係のない住人でした。
現在は普通に暮らしている、住人の方は先住の友の家族の事をご存じだった。
お店を畳んで知多半島の方で、どなたかがお住まいだと聞いた。
「こちらへ問い合わせれば、お尋ねの方の所在が分かるはずです」と
「電話番号を教えましょうか」と言われましたがご辞退しました。

お話を聞けば、知らない方が良いような気がしました。
それは、お店が決して良い畳み方で無かったようなのです。


そしてもう一軒、元の同じ場所に同じ家屋が建っていました。
昔の面影がありますが手を加えられきれいに保存されていましたが
代が変わり、「分からない」と言われました。
そうよネ。60年も70年も昔の事ですから。

では学校へ行って見よう。
一緒に行った友人はつまらなさそうにしていましたので
喫茶で待って貰う事にした。

だがいくら田舎の町でも半世紀も昔の事なので
学校に辿り付けず、丁度通りかかった小学校3年生くらいの男の子に聞いた。

「細い道がクネクネだから分かりにくいから僕が連れって上げるよ」と言う。
「僕の家は何処なの?」
「すぐそこのクリーニングやだよ」
「じゃお母さんにお断りしたいから、案内して頂戴」と言う事でお尋ねしました。
事情を話して男の子をお借りした。


くねくね道は、区画整理されて無く、
次々昔のままの土地で立て替えられた家並みで分からなかったのであった。

やがて懐かしい校舎が見えて来た。
小学校と中学校が並んでいます。
運動場が広く一連になっています。
校舎こそ新しくなっていたが昔のままであった。
桜の木も同じところに並んでいましたねぇ。
感慨深く佇んで眺めました。


待ってもらっている友の喫茶店へ男の子と一緒に戻った。
「僕ジュースがいい」と屈託のない笑顔が印象に残っている。

「おばちゃん何処から来たの?」
「大阪よ」
「甲子園のある所?」
「甲子園は兵庫県だよ」
「ふーん、僕の夢は野球がうまくなって甲子園へ行く事なんだ」
「そうなんだ。がんばって行って!
おばちゃんに知らせてくれたら応援に行くよ」

「じゃおばちゃんの住所教えて」
「いいよ、僕の住所も教えてね」
メモを出して住所の交換をした。

それから、お母さんにお礼を言って帰阪し、
お礼状と共に大阪名物を発送した。

するとお母さんの手紙に同封されて、僕の名はS君と言う名で手紙が来た。
「又来てね、今度は食いだおれのお話聞かせて下さい」
と書かれお母さんからは
「毎年初冬に和紙で作られた「灯りの祭典」があり、
町並は幻想的で美しいですから是非観に来て下さい。
パンフレットが出来たらお送りします」とあった。

それからパンフレットもわざわざ送って下さりS君からは
「中学生になって野球部で頑張っています」の手紙が最後でした。
放課後の野球の練習はきつく、きっともう手紙を書く時間が無かったのだろう。

甲子園には行ったのだろうか。
行ったなら手紙があったかも・・・・・・・ありませんでした。

もう彼も20代後半になっているはず。

美濃市と言えば「うだつの町」
うだつとは隣と隣を繋ぐ屋根で、その大きさに依って
その家の格というか裕福さが分かる、と言われています。

「うだつが上がらない」と言う語源はここからだときいた。
因みに歌手の「野口五郎」さんは私の後輩でもあった。

お祭りにはトラックに紅・白の幕をはり、のど自慢大会がありました。
楽器はアコーディオンだけでした。
野口さんも参加して居たでしょう。

高校野球から懐かしい思い出にふけりました。





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